こんにちは。オフィスチェアラボ、研究員Kです。
座っているうちに、オフィスチェアの座面がいつの間にか一番下まで下がっている。高さを合わせ直しても、しばらくするとまた下がってくる……。そんな症状に困っていませんか?
座面が勝手に下がる症状は、座面の高さを調整するガスシリンダー(ガスリフト)の劣化が疑われる、オフィスチェアでよくある不具合の一つです。ただ、操作のしかたや体重のかけ方が原因で「下がらない」「上がらない」と感じているケースもあります。
この記事では、ガスシリンダーの仕組みと、座面が下がる・上がらないときに確認したいこと、保証や部品交換、買い替えの判断までを、ニトリ公式のよくある質問やニトリネットのレビューをもとに解説します。ガスシリンダーは中にガスが封入された部品なので、自分で分解しないことも大切なポイントです。
- ガスシリンダーの仕組みと「油圧」との違い
- 座面が勝手に下がるときに考えられる原因
- 下がらない・上がらないときの操作の確認
- 保証・部品交換・買い替えの判断
オフィスチェアのガスシリンダーが下がる原因
まずは、ガスシリンダーの仕組みと、座面が勝手に下がるときに考えられる原因を見ていきます。
ガスシリンダーとは
ガスシリンダーは、オフィスチェアの座面と脚(5本脚のベース)をつなぐ、筒状の部品です。座面の高さを上下させる役割を持っていて、「ガスリフト」と呼ばれることもあります。座面の下にあるレバーを操作すると、ガスシリンダーが伸び縮みして、座面の高さが変わります。
ニトリのOC113の商品説明にも「座面はレバー1つのワンタッチ操作。ガス圧式なので、らくらく調整が可能」と書かれているように、多くのオフィスチェアでは、このガス圧の仕組みで座面の高さを調整しています。

「油圧」と呼ばれることも
オフィスチェアの昇降の仕組みは、「油圧式」と呼ばれることもあります。検索でも「オフィスチェア 油圧」という言葉がよく使われています。ただ、一般的なオフィスチェアの座面の昇降には、ガス圧を利用したガスシリンダーが使われていることが多いです。
どちらの呼び方でも、座面の下にある筒状の部品が高さを調整している、という点は同じです。自分の椅子の仕組みを正確に知りたい場合は、取扱説明書や商品ページの説明を確認してみてください。
座面が勝手に下がる主な原因
座面が勝手に下がる場合、考えられる主な原因は次のとおりです。
- ガスシリンダーの劣化:中のガスが抜けたり、内部の部品が傷んだりして、高さを保てなくなる
- レバーの状態:レバーが少し押されたままになっている、レバーまわりの部品がずれている
- 使い方による負担:勢いよく座る、座ったまま揺らすなど、ガスシリンダーに強い力がかかる使い方を続けている
ガスシリンダーの沈み・下がりは、オフィスチェアでよくある劣化の一つです。長く使っている椅子で、高さを合わせてもすぐに下がってくる場合は、ガスシリンダーの劣化を疑ってみましょう。
レビューに見る「下がる」症状
ニトリネットのレビューにも、座面が下がる症状についての声がありました。
- 「具体的には高さを設定した後、何度か椅子に座ると一番低い位置まで勝手に下がるようになりました」(OC707 エラストマーメッシュ、★1)
- 「届いてから1年2ヶ月ほど経過した先日、ガスが抜けたのか座面の昇降ができなくなりました」(OC001N)
- 「以前はゲーミングチェアを使っていたのですが、昇降パーツのガス抜けがあったため買い替え」(OC707 ポケットコイル)
- 「従来使用していた椅子が上下に停止させる機構が壊れて座ると下がってしまう状態でした」(OC505)
使い始めてから比較的早い時期に症状が出たという声もあります。保証期間内であれば、まずは購入したお店やメーカーに相談しましょう。
座面の下から油が出てきたら
座面の下まわりから油のようなものが出てくるという声もありました。OC003 PVCのレビューには「毎日使用していたら、8月に入って気づいたら油みたいなのが漏れ出て、靴下や足が汚れるようになりました」と書かれています。
一方で、組み立てのときから接続部分に潤滑油が付いていることもあります。OC707 ポケットコイルのレビューには「座面とキャスターの接続部分に潤滑油が付いており、手が当たると容易に付きますので注意が必要です」という声がありました。使っているうちに油が垂れてくるようになった場合は、そのまま使わず、購入したお店やメーカーに相談するのが安心です。
体重が軽いと下がらないことも
「座面が下がらない」という場合は、故障ではなく、体重のかかり方が原因のこともあります。ニトリ公式のよくある質問によると、座面の上げ下げにはある程度の重さが必要で、子どもなど重さをかけにくい場合は、大人が一度座って試すよう案内されています。
レビューにも「体重40kgだと座席が下がらないです」(OC001N)という声がありました。小柄な人や子どもが使っていて座面が下がらない場合は、体重をしっかりかけながらレバーを操作するか、大人に下げてもらってから座ってみてください。
上げるときにもコツがある
座面が上がらない場合も、まずは操作のしかたを確認しましょう。ニトリ公式のよくある質問では、ワークチェアの昇降について次のように案内されています。
- レバーは座って右側の下にある(レバーには多少の遊びがある)
- 上げるときは、レバーを止まるまで持ち上げ、さらにグッと持ち上げる(腰を少し浮かすと操作しやすい)
- 下げるときは、座ったままレバーをグッと持ち上げ、体重をかける
レバーの遊びの分だけ持ち上げても、ガスシリンダーが動かないことがあります。上げるときは座面から腰を少し浮かせ、レバーをしっかり持ち上げてみてください。ニトリのオフィスチェアで上がらない・下がらないときの対処はニトリのオフィスチェアが下がる・上がらない時でも詳しく紹介しています。
レバーの動きが強すぎると感じたら
ガスシリンダーの動き方の感じ方も、人によって違います。OC707 ポケットコイルのレビューには「レバーを引くと同時にストンと下まで下がってしまって上に上がるトルクが弱い」という声がありました。また、OC001Nのレビューには「レバーあげて上げる時、細かくガクガクして動きます」という声もありました。
こうした動き方が気になる場合でも、高さを保てているなら、すぐに故障というわけではありません。操作するときはゆっくりレバーを引き、少しずつ高さを合わせるようにしましょう。動きが明らかにおかしい、高さが保てないといった場合は、メーカーに相談してください。
下がる椅子を使い続けるリスク
座面が下がる椅子を使い続けると、座っているうちに座面の高さが変わってしまい、体に合った姿勢を保ちにくくなります。机に対して座面が低くなると、肩が上がったり、腕を上げた姿勢でキーボードを打ったりすることになります。
こまめに高さを合わせ直しながら使うこともできますが、作業に集中できず、ストレスにもなります。症状に気づいたら、早めに保証や修理、買い替えを考えましょう。
本当に下がっているか確かめる
「なんとなく低くなった気がする」という場合は、本当に座面が下がっているのかを確かめてみましょう。方法は簡単です。
- 座面の高さを合わせたら、床から座面の前の縁までの高さをメジャーで測ってメモする
- ふだんどおり30分〜1時間ほど座って作業する
- もう一度同じ場所を測り、数字が変わっていないか比べる
メジャーがなければ、ガスシリンダーの見えている部分にマスキングテープで印を付けておく方法もあります。数字や印で確かめておくと、メーカーに相談するときにも症状を伝えやすくなります。
症状別の原因と対処の早見表
| 症状 | 考えられる原因 | まずやること |
|---|---|---|
| 座っていると少しずつ下がる | ガスシリンダーの劣化 | 保証を確認してメーカーに相談 |
| レバーを引いても下がらない | 体重のかけ方 | 座ったまま体重をかけてレバーを操作 |
| レバーを引いても上がらない | レバーの引き方 | 腰を浮かせてレバーをしっかり持ち上げる |
| 上げ下げが全くできない | ガスシリンダー・レバーの故障 | 保証を確認してメーカーに相談 |
| 座面の下から油が垂れる | 部品の不具合の可能性 | 使用を控えてメーカーに相談 |
操作のしかたで直るものと、部品の不具合が疑われるものを分けて考えると、落ち着いて対処できます。
オフィスチェアのガスシリンダーの対処法
ここからは、座面が下がるときの対処法と、交換や買い替えの判断について紹介します。
まずは保証を確認する
座面が勝手に下がるようになったら、まずは保証期間内かどうかを確認しましょう。保証期間はメーカーやモデルによって違います。ニトリのオフィスチェアは、モデルによって1年または5年の保証があります(ニトリネットの仕様表より)。
ニトリ公式のよくある質問によると、保証書がなくても、見積書(注文伝票)・レシート・注文履歴・メールなどで購入が確認できれば保証を受けられます。業務用で使っていた場合は保証の対象外と案内されているので注意しましょう。ニトリの保証についてはニトリのオフィスチェアの保証で詳しく紹介しています。
メーカーに相談するときに伝えること
保証や修理の相談をするときは、次のことを用意しておくと、話がスムーズに進みます。
- 商品名・型番と、購入した時期・お店
- 購入の記録(レシート、注文履歴、注文確認メールなど)
- いつから、どんな症状が出ているか(どれくらいの時間でどれだけ下がるか)
- 症状が分かる写真や動画
座面が下がっていく様子を動画で撮っておくと、言葉で説明するより伝わりやすくなります。前に紹介した、メジャーやテープで高さの変化を確かめた結果もあわせて伝えましょう。
ガスシリンダーは分解しない
座面が下がるからといって、ガスシリンダーを自分で分解したり、穴を開けたりするのは危険です。ガスシリンダーは中にガスが封入されている部品なので、分解しないほうが安全です。
また、座面とガスシリンダー、脚の接続部分は、使っているうちに体重で固く締まっていることがあります。無理に外そうとして工具でこじったり、たたいたりすると、ケガにつながるおそれがあります。自分で交換する場合も、メーカーの案内に従って作業しましょう。
交換部品が手に入るか確認
保証期間が過ぎている場合は、ガスシリンダーを交換できるかを確認します。高価格帯のオフィスチェアは、ガスシリンダーやキャスターなどを部品単位で交換できることが多くあります。たとえばエルゴヒューマンは、交換用のガスシリンダーなどの部品を単品で購入できるとされています。
ニトリの場合は、ニトリ公式のよくある質問によると、パーツや商品の一部のみの販売はしていませんが、商品によっては手配できる場合があります。ニトリで購入した商品が対象で、メンバーズ会員証・レシート・お見積書(ニトリネットならECから始まる注文番号)が必要で、送料はお客様の負担と案内されています。
市販のガスシリンダーに替える前に
通販などでは、オフィスチェア用の交換ガスシリンダーも売られています。ただ、ガスシリンダーの長さや太さ、取り付け部分の形は椅子によって違い、合わないものを取り付けると、高さが変わったり、しっかり固定できなかったりします。
また、メーカーが想定していない部品に交換すると、その後の不具合が保証の対象にならない可能性があります。市販品への交換を考えるときは、今のガスシリンダーの寸法を確認し、自分で安全に作業できるかも含めて慎重に判断してください。分からない場合は、メーカーに相談するのが安全です。
座面を低くしたいときの注意
「一番低くしても座面が高い」という悩みから、ガスシリンダーを短いものに替えたいと考える人もいます。OC707 ポケットコイルのレビューにも「個人的には座面の高さが40cm迄下がれば高評価でした」「別売りでもいいので40cm迄下がる交換用のシリンダー作ってほしいです」という声がありました。
ただし、ニトリではパーツのみの販売はしていません。座面の高さが合わない場合は、部品の交換よりも、座面の低いモデルを選ぶか、足台(フットレスト)を使うほうが現実的です。たとえばニトリのOC707には、座面高が約43〜50cmのスモールサイズもあります(レギュラーは約45〜52cm)。
ニトリ OC707 スモールサイズ エラストマーメッシュ
修理か買い替えかの判断
ガスシリンダーの不具合が見つかったら、次のような点を考えて、修理するか買い替えるかを判断しましょう。
- 保証期間内か(期間内ならまずメーカーに相談)
- 交換部品が手に入るか、その費用はいくらか
- ほかにも劣化している部分があるか(座面のへたり、きしみ、キャスターなど)
- 椅子の価格と、修理にかかる費用の差
部品の交換が難しいモデルや、何年も使った古い椅子で、ほかの部分にも劣化が出ている場合は、買い替えたほうが安心なこともあります。
ガスシリンダーの寿命を延ばすには
ガスシリンダーに負担をかけないために、日ごろの使い方も意識しましょう。
- 勢いよくドスンと座らない
- 浅く座ったまま椅子を揺らさない
- 椅子の上に立ったり、踏み台代わりにしたりしない
- 座ったまま椅子を傾けない
ニトリ公式のよくある質問でも、イスの上に立つ・踏み台代わりにする・浅く座る・座ったまま傾ける・ひじ置きを支えに立ち座りする、といった使い方は破損や転倒の原因になるとして、しないよう案内されています。
子どもが使うときの注意
子どもが大人用のオフィスチェアを使う場合、体重が軽くて座面が下がらないことがあります。ニトリ公式のよくある質問でも、子どもなど重さをかけにくい場合は、大人が一度座って試すよう案内されています。
また、子どもがレバーで遊んで座面を何度も上げ下げしたり、座面の上に立ったりすると、ガスシリンダーや椅子全体に負担がかかります。高さは大人が合わせてあげて、使い方も一緒に確認しておくと安心です。
家庭用の椅子を仕事場で使う場合
ニトリのオフィスチェアの多くは、商品説明に「一般家庭向けの商品です。業務使用を前提とした構造にはなっておりません」と書かれています。また、ニトリ公式のよくある質問では、業務用での使用は品質保証の対象外と案内されています。
事務所などで何人もの人が長時間使う場合は、家庭で使うより部品への負担が大きくなります。仕事場で使う椅子を選ぶときは、業務用に使えるかどうかも商品説明で確認しておきましょう。
処分するときのガスシリンダー
買い替えることになったら、古い椅子の処分方法も確認しておきましょう。分解して素材ごとに出せるかは自治体のルールによりますが、ガスシリンダーは分解しないほうが安全で、処理方法は自治体に確認するのが基本です。
分解に自信がない場合は、椅子をまるごと粗大ごみとして出すのが安全です。処分の方法はオフィスチェアの捨て方で詳しく解説しています。
「下がらない」「上がらない」と感じたら、故障を疑う前に、まずレバーの操作と体重のかけ方を見直してみてください。上げるときは腰を少し浮かせ、下げるときはしっかり体重をかける。これだけで動くことも多いですよ。
ガスシリンダーのよくある質問(FAQ)
Q1. オフィスチェアが勝手に下がるのはなぜですか?
A. 座面の高さを調整するガスシリンダーの劣化が疑われます。長く使った椅子でよくある症状の一つです。保証期間内ならメーカーに相談しましょう。
Q2. ガスシリンダーは自分で交換できますか?
A. 交換部品が手に入る椅子なら交換できる場合があります。ただしガスシリンダーの分解は危険なので避け、寸法が合うか、安全に作業できるかを慎重に確認してください。
Q3. 座面が下がらないのは故障ですか?
A. 体重のかけ方が原因のこともあります。ニトリ公式では、下げるときは座ったままレバーを持ち上げて体重をかけ、子どもなど重さをかけにくい場合は大人が一度座って試すよう案内されています。
Q4. オフィスチェアは油圧式ですか?
A. 「油圧」と呼ばれることもありますが、一般的なオフィスチェアの座面の昇降には、ガス圧を利用したガスシリンダーが使われていることが多いです。
Q5. ニトリでガスシリンダーだけ買えますか?
A. ニトリ公式によると、パーツのみの販売はしていませんが、商品によっては手配できる場合があります。ニトリで購入した記録が必要で、送料はお客様の負担です。
オフィスチェアのガスシリンダーまとめ
オフィスチェアの座面が勝手に下がる症状は、座面の高さを調整するガスシリンダーの劣化が疑われる、よくある不具合です。一方で、「下がらない」「上がらない」場合は、レバーの操作や体重のかけ方が原因のこともあるので、まずは操作のしかたを見直しましょう。
不具合が見つかったら、保証期間内かを確認し、期間内ならメーカーに相談します。ガスシリンダーは分解せず、交換部品が手に入るか、修理費用と新品の価格の差を比べて、修理か買い替えかを判断しましょう。
日ごろから勢いよく座らない、浅く座って揺らさないといった使い方を心がけると、ガスシリンダーへの負担を減らせます。安全に、長く使っていきましょう。

