こんにちは。オフィスチェアラボ、研究員Kです。
毎日座っているオフィスチェア。「座面がへたってきた」「最近ギシギシ音がする」「高さが勝手に下がる」といった変化が出てくると、「そろそろ寿命かな?」「あと何年使えるんだろう?」と気になりますよね。
オフィスチェアの寿命は、使う時間や体格、使い方、椅子の作りによって大きく変わります。年数だけで買い替えを決めるのではなく、座面のへたり・昇降の不具合・異音・キャスター・張地など、実際の劣化の状態を見て判断することが大切です。
私はニトリのOC707を大学入学のタイミングで買って、約1年半、ほぼ毎日使っています。この記事では、日本オフィス家具協会(JOIFA)が示す使用期間の目安や、ニトリネットのレビューに書かれた実際の使用年数をもとに、オフィスチェアの寿命と買い替えのサイン、長持ちさせるコツを解説します。
- オフィスチェアの寿命の目安(何年使えるか)
- 法定耐用年数と実際の寿命の違い
- 買い替えを考えたい劣化のサイン
- オフィスチェアを長持ちさせるコツ
オフィスチェアの寿命は何年か
まずは、オフィスチェアがどれくらい使えるのか、公的な目安や実際の声から見ていきます。
JOIFAが示す使用期間の目安は8年
日本オフィス家具協会(JOIFA)は、オフィス家具の標準使用期間の目安を示しています。それによると、回転椅子・非回転椅子は8年、脚が木製の固定椅子と折りたたみ椅子は5年が目安とされています。
| 椅子の種類 | 標準使用期間の目安 |
|---|---|
| 回転椅子・非回転椅子 | 8年 |
| 脚が木製の固定椅子 | 5年 |
| 折りたたみ椅子 | 5年 |
ただし、これはあくまで目安で、使用頻度や環境によって変わります。毎日長時間座る人と、週に数回だけ座る人では、同じ椅子でも傷み方はかなり違ってきます。
法定耐用年数とは別もの
「オフィスチェアの耐用年数」で調べると、15年や8年という数字が出てくることがあります。これは税法上の法定耐用年数で、事務机・事務いすは、主として金属製のものが15年、その他のものが8年とされています。
法定耐用年数は、会社が備品を経費として計上するときに使う、会計上の年数です。椅子が実際に何年使えるかを示すものではないので、寿命の目安としては、使用期間の目安や実際の劣化の状態を見るほうが現実的です。
実際の使用年数はさまざま
ニトリネットのレビューには、前に使っていた椅子をどれくらい使ったかが書かれているものがありました。
- 「13年使ったニトリの事務椅子」からの買い替え(OC707 エラストマーメッシュ)
- 「20年以上使用していたメッシュチェアーが壊れての買い替えです」(OC707 エラストマーメッシュ)
- 「15年使っているワークチェアが壊れてしまい、購入しました」(エステン Nシールド)
- 「前の1万ちょいの商品は一年半で壊れてしまった」(OC707 エラストマーメッシュ)
- 「以前の別メーカーの椅子は2年目で高さ調整が壊れました」(OC707 ポケットコイル)
10年以上使えたという声がある一方で、1〜2年で不具合が出たという声もあり、寿命には大きな幅があることが分かります。使い方や体格、椅子の作りによって、これだけ差が出るということです。
寿命を左右する要素
オフィスチェアの寿命は、主に次のような要素で変わります。
- 座る時間:毎日長時間座るほど、部品への負担は大きくなる
- 体格:体重が重いほど、座面や脚、ガスシリンダーへの負担は大きくなる
- 使い方:勢いよく座る、浅く座って揺らす、肘掛けを支えに立つなどは負担になる
- 素材:合成皮革ははがれ、メッシュはたるみ、クッションはへたりやすい
- 手入れ:ねじの締め直しや掃除をしているか
- 作り:部品を交換できるか、保証が長いか
同じ椅子でも、使い方と手入れ次第で長く使える可能性があります。後半で紹介する長持ちのコツも参考にしてください。
素材ごとの劣化の特徴
素材によって、劣化の出方にも特徴があります。
| 素材 | よくある劣化 |
|---|---|
| 合成皮革 | 表面のひび割れ・はがれ |
| メッシュ | たるみ、座面のへこみ |
| クッション(布張り) | へたり、汚れ |
レビューにも「以前使っていた椅子は座面が合皮で4年ぐらい使ったらボロボロになった」(OC513)、「5年以上前にニトリで買った椅子の皮がボロボロになってきた」(OC105)、「使い始めて6か月目くらいから徐々に座面がへたれはじめ」(OC707 エラストマーメッシュ)といった声がありました。素材の弱点を知っておくと、劣化に早く気づけます。
保証期間も目安の一つ
メーカーの保証期間も、寿命を考えるときの目安の一つになります。保証期間は、少なくともその間はメーカーが品質を保証している期間です。ニトリのオフィスチェアは、モデルによって1年または5年の保証があります(ニトリネットの仕様表より)。
高価格帯のオフィスチェアには、構造部分に長期の保証が付いたものもあります。たとえばオカムラのオフィスシーティングは、構造体の保証が基本3年で、コンテッサ セコンダやバロン、シルフィーなどは2021年1月5日以降の購入分から構造体8年保証とされています。長く使うつもりなら、保証の長さも比べてみてください。
ニトリ OC707 ポケットコイル
ニトリ OC525 エラストマーメッシュ
私のOC707の今の状態
私のOC707は、約1年半ほぼ毎日使っていて、テスト期間には1日6時間くらい座ることもあります。今のところ、とくに不満はありません。気になる点を挙げるなら、アームレストやヘッドレストを動かすときに少し詰まる感じがあることくらいです。
OC707は5年保証なので、まだ保証期間の途中です。使っているうちに変化が出てきたら、この記事で紹介するサインと照らし合わせて確認していくつもりです。ニトリのオフィスチェアの寿命についてはニトリのオフィスチェアの寿命でも詳しく紹介しています。

オフィスチェアの寿命のサインと長持ちのコツ
ここからは、買い替えを考えたい劣化のサインと、長く使うためのコツを紹介します。
座面が勝手に下がるのは要注意
座っているうちに座面が少しずつ下がってくる、レバーを引いても上がらない、という症状は、座面の高さを調整するガスシリンダーの劣化が疑われます。ガスシリンダーの沈み・下がりは、オフィスチェアでよくある劣化の一つです。
レビューにも「届いてから1年2ヶ月ほど経過した先日、ガスが抜けたのか座面の昇降ができなくなりました」(OC001N)、「以前はゲーミングチェアを使っていたのですが、昇降パーツのガス抜けがあったため買い替え」(OC707 ポケットコイル)という声がありました。座面の高さが保てないと、体に合った姿勢をとれなくなるので、早めに対処しましょう。
座面のへたりも買い替えサイン
座ったときにお尻が沈み込む、座面の一部だけがへこんでいる、座面の下の硬い部分が当たる、といった状態は、座面のクッションやメッシュがへたっているサインです。
座面がへたると、座ったときの姿勢が崩れやすくなります。一時的にクッションを敷いてしのぐこともできますが、座面の高さや奥行きが変わってしまうので、気になる場合は買い替えも考えましょう。
直らない異音やぐらつき
座ったり、背もたれに寄りかかったりしたときに、ギシギシ・ギーギーといった音がする、椅子全体がぐらつく、という症状もよくある変化です。ねじのゆるみが原因のことが多く、締め直すと改善することもあります。
ニトリ公式のよくある質問では、固定用のねじは定期的にゆるみを点検して締め直すよう案内されていて、目安は月に1度です。ねじを締め直しても、ぐらつきやきしみが改善しない場合は、メーカーや販売店に問い合わせるよう案内されています。構造部分のぐらつきは安全にかかわるので、無理に使い続けないようにしましょう。
キャスターの割れや欠け
キャスターが割れている、欠けている、回りにくくなっている、という状態も劣化のサインです。レビューにも「古いオフィスチェアが車の部分が朽ちて欠けて来たので買い替えと思い検討しました」(GM707)という声がありました。
キャスターが回りにくいだけなら、髪の毛やほこりの除去で改善することもあります。ただし割れや欠けがある場合は、そのまま使うと危険なので、交換か買い替えを考えましょう。なお、ニトリではキャスターは消耗品として保証の対象外と案内されています。
張地のはがれ・破れ
合成皮革の表面がひび割れたり、はがれたりしてくるのも、よくある劣化です。はがれたかけらが服や床に付くようになると、使い続けるのはなかなか大変です。
メッシュの場合は、たるみや破れが出てくることがあります。張地の傷みは、すぐに座れなくなるわけではありませんが、座り心地や見た目に影響します。カバーをかけて使い続けるか、買い替えるかを考えるタイミングです。
買ってすぐの不具合は寿命ではない
使い始めてすぐにぐらつきや異音が出る場合は、寿命ではなく、組み立てのねじの締め不足や、初期の不良の可能性があります。レビューにも「最初少し緩めに組み立てたら軋んだので、ガッチリ締めました」(OC001N)という声がありました。
まずは組立説明書を見直して、ねじがしっかり締まっているか確認しましょう。それでも直らない場合は、保証期間内であれば、購入したお店やメーカーに早めに相談してください。
寿命が近いかのチェックリスト
今使っている椅子の状態を、次の表でチェックしてみてください。当てはまる項目が多いほど、買い替えを考えるタイミングに近づいています。
| チェック項目 | 疑われる部分 |
|---|---|
| 座っていると座面が少しずつ下がる | ガスシリンダー |
| レバーを引いても座面が上がらない | ガスシリンダー・レバー |
| 座面がへこんだまま戻らない | 座面のクッション・メッシュ |
| ねじを締めてもギシギシ鳴る | 可動部・フレーム |
| 椅子全体がぐらつく | 脚・接続部 |
| キャスターが割れている・回らない | キャスター |
| 表面がはがれて粉が落ちる | 合成皮革の張地 |
| 背もたれのロックがかからない | リクライニングの機構 |
一つだけなら、掃除やねじの締め直し、部品の交換で直ることもあります。いくつも重なっている場合は、修理費用と新品の価格を比べてみましょう。
部品交換で寿命を延ばせる椅子も
高価格帯のオフィスチェアには、ガスシリンダーやキャスターなどを部品単位で交換できるものが多くあります。たとえばエルゴヒューマンは、交換用のガスシリンダーなどの部品を単品で購入できるとされています。部品を替えながら長く使えるのは、高価な椅子の大きなメリットです。
一方、ニトリのように、パーツのみの販売はしていない(商品によっては手配できる場合がある)メーカーもあります。長く使うつもりで椅子を選ぶなら、保証の長さとあわせて、部品を交換できるかどうかも確かめておくと安心です。
1日あたりの費用で考える
寿命を考えるときは、価格を使える年数で割って、1日あたりの費用で比べてみるのも一つの方法です。たとえばJOIFAの目安の8年使えたとすると、次のようになります(あくまで単純な計算です)。
- 9,990円の椅子:1日あたり約3.4円
- 34,990円の椅子:1日あたり約12円
- 99,990円の椅子:1日あたり約34円
実際には、安い椅子が8年もたないこともあれば、高い椅子が部品交換でもっと長く使えることもあります。毎日長い時間座るなら、価格だけでなく、保証や部品交換のしやすさも含めて考えると、結果的にお得な選び方ができます。
修理か買い替えかの判断
劣化が見つかったら、修理するか買い替えるかを考えます。判断のポイントは、次のとおりです。
- 保証期間内か(期間内なら、まずメーカーや販売店に相談)
- 交換部品が手に入るか
- 修理費用と新品の価格の差
- 不具合が一か所だけか、いくつも重なっているか
高価格帯のオフィスチェアは、ガスシリンダーやキャスターなどを部品単位で交換できることが多くあります。一方、手頃な価格の椅子は、修理費用が新品の価格に近くなることもあります。主要な部品に不具合が重なってきたら、修理費と新品の価格を比べて買い替えを考えるのが現実的です。
ニトリの椅子を修理するとき
ニトリのオフィスチェアの場合、ニトリ公式のよくある質問によると、品質保証外の有償修理は、問い合わせ→自宅訪問日の相談→修理品の引き上げ→修理できるか・費用・日数の連絡→了承後に修理、という流れです。修理費のほかに移動費などの追加料金がかかり、店舗に持ち込めば引き上げ費用はかからないと案内されています。
ただし、修理できない商品の例として組立家具などが挙げられていて、オフィスチェアが対象かは問い合わせて確認する必要があります。また、パーツのみの販売はしていませんが、商品によっては手配できる場合があるとも案内されています。
ねじを月に1回締め直す
オフィスチェアを長持ちさせるために、まず取り入れたいのが、ねじの定期的な点検です。ニトリ公式のよくある質問では、固定用のねじは月に1度を目安に点検して締め直すよう案内されています。
ねじがゆるんだまま使うと、部品に余計な力がかかり、破損の原因になります。組み立てのときに使った工具を、すぐに取り出せる場所に保管しておくと、点検を習慣にしやすくなります。
正しく座って負担を減らす
使い方も、寿命に大きく影響します。ニトリ公式のよくある質問では、次のような使い方は破損や転倒の原因になるので、しないよう案内されています。
- 椅子の上に立つ・踏み台代わりにする
- 浅く座る
- 座ったまま傾ける
- ひじ置きを支えに立ち座りする
勢いよくドスンと座るのも、座面やガスシリンダーに負担がかかります。座るときは、ゆっくり腰を下ろすように意識してみてください。
キャスターや張地をこまめに掃除
掃除も、長持ちのために大切です。ニトリ公式のよくある質問では、回転盤やキャスターについたほこりを定期的に掃除するよう案内されています。ほこりと潤滑油が混ざると、操作の異常が起きたり、すす状の粉が出てカーペットの汚れや床の傷の原因になったりするそうです。
張地は、ふだんはやわらかい布で軽くふき、汚れがひどい場合は薄めた中性洗剤を含ませて固く絞った布でたたくようにふき取ります。アルコールなどの除菌剤やベンジン・シンナーなどの溶剤は、変色や表面のはがれの原因になるので使わないよう案内されています。
置き場所と床の保護も大切
置き場所も寿命に関わります。ニトリ公式の案内では、合成皮革は直射日光や冷暖房が直接当たる場所、温度や湿度の変化が激しい場所に置くと、表面の劣化の原因になるとされています。窓際やエアコンの風が直接当たる場所は避けるのがおすすめです。
また、フローリングや畳の上で使う場合は、チェアマットなどの保護材を敷くと、床だけでなくキャスターの傷みも抑えやすくなります。
処分するときの注意
買い替えることになったら、古い椅子の処分方法も考えておきましょう。主な方法は、自治体の粗大ごみ、購入店の引き取りサービス、不用品回収業者、リサイクルショップやフリマアプリでの売却などです。
分解して出す場合も、ガスシリンダーは分解しないほうが安全で、処理方法は自治体に確認するのが基本です。詳しくはオフィスチェアの捨て方で解説しています。中古で買い替えを考えている人は、中古オフィスチェアの注意点も参考にしてください。
寿命を延ばすいちばん手軽な方法は、月に1回のねじの点検です。工具を椅子の近くに置いておいて、月初めなど日を決めて締め直すようにすると、忘れずに続けやすいですよ。
オフィスチェアの寿命のよくある質問(FAQ)
Q1. オフィスチェアは何年使えますか?
A. JOIFAが示す標準使用期間の目安は、回転椅子で8年です。ただし使用頻度や環境、体格、使い方によって大きく変わります。
Q2. 法定耐用年数は寿命と同じですか?
A. 違います。事務いすの法定耐用年数(金属製15年、その他8年)は会計上の年数で、実際に何年使えるかを示すものではありません。
Q3. 買い替えのサインは何ですか?
A. 座面が勝手に下がる、座面のへたり、ねじを締めても直らない異音やぐらつき、キャスターの割れ、張地のはがれなどが代表的なサインです。
Q4. 長持ちさせるにはどうすればいいですか?
A. 月に1回を目安にねじを締め直す、キャスターや回転盤のほこりを掃除する、浅く座ったり肘掛けを支えに立ったりしない、直射日光を避けるといった点が大切です。
Q5. キャスターは保証で交換できますか?
A. メーカーによって違います。ニトリでは、キャスターは消耗品として保証の対象外と案内されています。
オフィスチェアの寿命まとめ
オフィスチェアの寿命は、JOIFAの標準使用期間の目安では回転椅子で8年ですが、実際には使い方や体格、椅子の作りによって、1〜2年で不具合が出ることもあれば、10年以上使えることもあります。法定耐用年数は会計上の年数なので、寿命の目安とは別に考えましょう。
座面が勝手に下がる、へたり、直らない異音やぐらつき、キャスターの割れ、張地のはがれといったサインが出たら、保証や修理費用と新品の価格を比べて、修理か買い替えかを判断します。
月に1回のねじの点検、こまめな掃除、正しい座り方を心がけて、お気に入りの椅子を少しでも長く使っていきましょう。

