こんにちは。オフィスチェアラボ、研究員Kです。
オフィスチェアといえば、キャスター付きの5本脚が一般的です。でも、「座っているときに椅子が動くのが落ち着かない」「フローリングが傷つくのが気になる」「小さな子どもがいて椅子が転がると危ない」といった理由で、キャスターなしの椅子を探している人もいるのではないでしょうか。
キャスターなしの固定脚の椅子は、床の傷や、不用意に椅子が動くのを抑えやすいのがメリットです。一方で、座ったまま机に近づいたり、位置を調整したりするのはしにくくなります。デスクまわりで頻繁に動くならキャスター付き、あまり動かさない用途なら固定脚、という考え方で選ぶのがおすすめです。
この記事では、キャスターなしのオフィスチェアのメリット・デメリット、向いている人、選ぶときのポイントを、ニトリの商品情報やレビューもまじえて解説します。
- キャスターなしの椅子のメリット・デメリット
- 固定脚が向いている人・キャスター付きが向いている人
- キャスターなしの椅子を選ぶポイント
- キャスター付きの椅子を動きにくくする方法
キャスターなしオフィスチェアの特徴
まずは、キャスターなしの椅子の種類と、メリット・デメリットを見ていきます。
キャスターなしの椅子の種類
キャスターなしの作業用の椅子には、主に次のような種類があります。
- 4本脚の椅子:ダイニングチェアのように4本の脚で支える
- 座面が回転する固定脚の椅子:脚は固定で、座面だけが回る
- スターベース(5本脚)でキャスターのない椅子:脚の先がキャスターではなく、床に接する部品になっている
- バランスチェア:底面がカーブしていたり、膝で支えたりする特殊な形
同じ「キャスターなし」でも、座面の高さを調整できるか、回転するかなど、機能はさまざまです。用途に合わせて、どのタイプが合うかを考えてみましょう。
キャスターなしのメリット
キャスターなしの椅子には、次のようなメリットがあります。
- 椅子が勝手に動かない:座ったり立ったりするときに、椅子が転がらない
- 床が傷つきにくい:キャスターが転がることによる床の傷や跡を抑えやすい
- 音が出にくい:キャスターが転がる音がしない
- リビングやダイニングになじみやすい:見た目が家具らしく、部屋の雰囲気に合わせやすい
ニトリネットのレビューにも、「事務とかゲームで使用するにはキャスターは便利でしょうが、年寄りには固定のものが有り難い」(GM707)、「もう少し歳をとったらキャスターは卒業」(OC003 PVC)といった声があり、椅子が動かないことに安心感を求める人もいることが分かります。
キャスターなしのデメリット
一方で、キャスターなしの椅子には、次のようなデメリットもあります。
- 座ったまま位置を変えにくい:机に近づく、引き出しを開けるなどの動きがしにくい
- 椅子を引くときに床をこすりやすい:脚の先の保護が不十分だと、床に傷がつくこともある
- 調整機能が少ないものが多い:座面の高さが固定のものもある
- 選択肢が少ない:オフィスチェアの多くはキャスター付き
特に、パソコン作業中に横の棚から資料を取る、プリンターまで移動する、といった動きが多い人には、キャスター付きのほうが便利です。
キャスター付きと固定脚の比較
| 項目 | キャスター付き | キャスターなし(固定脚) |
|---|---|---|
| 座ったままの移動 | しやすい | しにくい |
| 立ち座りの安定感 | 椅子が動くことがある | 動かない |
| 床への影響 | 傷や跡がつくことがある | 引きずると傷がつくことがある |
| 音 | 転がる音がする | ほとんどしない |
| 調整機能 | 多いモデルが多い | 少ないモデルが多い |
| 選択肢の多さ | 多い | 少ない |
どちらが優れているというより、使う場所や作業の内容によって向き不向きが分かれます。自分がどちらのメリットを重視するかで選びましょう。
キャスター付きが向いている人
次のような人は、キャスター付きの椅子のほうが使いやすいでしょう。
- 座ったまま机の左右や後ろに手を伸ばすことが多い
- 机に近づいたり離れたりする動きが多い
- 掃除のときに椅子を動かしたい
- 座面の高さやリクライニングなど、調整機能を重視したい
レビューにも「部屋内のテーブルへはキャスターを活用して2m移動して、ダイニングチェアとする事で余計な椅子が不要となりました」(OC707 ポケットコイル)、「キャスター付きなので掃除するとき便利です」(OC003 PVC)と、キャスターの便利さを評価する声が多くありました。
固定脚が向いている人
反対に、次のような人には、キャスターなしの固定脚の椅子が向いています。
- 座っているときに椅子が動くのが落ち着かない
- 立ち座りのときに椅子が動かないほうが安心できる
- リビングやダイニングで、家具になじむ椅子を使いたい
- 小さな子どもがいて、椅子が転がるのが心配
- 畳やクッションフロアなど、キャスターが使いにくい床で使う
- 机の前から椅子をあまり動かさない
- キャスターの転がる音を出したくない
読書や書き物など、机の前で座ったまま作業することが中心なら、固定脚でも困ることは少ないでしょう。
ストッパー付きのキャスターがほしい声も
キャスター付きの椅子を使っている人からは、「止まっていてほしいときに動いてしまう」という声もありました。レビューには「脚のキャスターに、ストッパーがついていたらなおよかったです」(OC113)、「動かない状態を保ちたい時にキャスターにストッパーがあると、落ち着けるようにより良くなるのでは」(GM707)という声がありました。
キャスター付きの椅子の便利さはそのままに、動きすぎるのが気になる、という人も多いようです。後半で紹介する、キャスター付きの椅子を動きにくくする工夫も参考にしてください。
キャスターなしオフィスチェアの選び方
ここからは、キャスターなしの椅子を選ぶときのポイントと、ニトリのモデルの例を紹介します。
座面の高さが合うかを確認
キャスターなしの椅子でいちばん注意したいのが、座面の高さです。4本脚の椅子は座面の高さが固定のものも多く、机や体格に合わないと調整ができません。
日本オフィス家具協会(JOIFA)は、座面高の目安を「身長×1/4」、机の高さの目安を「座面高+身長×1/6」としています。たとえば身長160cmなら座面高は約40cm、170cmなら約42.5cmが目安です。座面の高さが固定の椅子を選ぶなら、この目安と、使う机の高さに合うかを必ず確かめましょう。
座面の高さが合わないときは
座面の高さを調整できない椅子で、机に対して座面が低い場合は、薄いクッションを敷いて高さを足す方法があります。反対に、座面が高くて足が床につかない場合は、すべりにくい足台を使うのが基本です。厚生労働省のガイドラインでも、足が床に届かない場合は足台を使うとしています。
ただし、クッションを敷くと座面の奥行きや座り心地も変わります。調整で何とかするより、最初から体格と机に合う高さの椅子を選ぶほうが、長く快適に使えます。
座面の高さを調整できる固定脚も
キャスターなしでも、座面の高さを調整できる椅子があります。たとえばニトリの「北欧風スタイルチェア」は、天然木の脚の椅子ですが、商品説明によると座面の高さを無段階で調整でき、座面の奥行きも2段階(ビス止め)で調整できます。調整範囲は座面が約42〜60cm、奥行きが約55〜65cmと書かれています。
価格は14,990円で、商品説明では「低学年のお子様から一般ユーザーまでマルチに使えます」と紹介されています。家族で使う椅子や、成長に合わせて長く使いたい椅子を探している人の候補になります。
ニトリの4本脚チェアの例
ニトリには、商品名に「4本脚」と入ったオフィスチェアもあります。OC109 4本脚は、商品説明によると「インダストリアルな雰囲気のモダンなワークチェア」で、リビングやダイニングにも合う鉄製のヴィンテージ風の脚を使っています。背もたれと肘が一体型で、張地は水拭きできる合成皮革です。
| 項目 | OC109 4本脚 | 北欧風スタイルチェア |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 11,990円 | 14,990円 |
| サイズ | 幅52.5×奥行57×高さ79cm | 幅48×奥行65×高さ68cm |
| 座面高 | 約44cm | 約42〜60cm(無段階) |
| 重量 | 約8.5kg | 約5.2kg |
| 素材 | 合成皮革 | 天然木他 |
| 保証 | 1年 | 1年 |
どちらも2026年9月時点のニトリネットの情報です。OC109 4本脚の座面高は約44cmで、仕様表を見る限り高さの調整範囲の記載はありません。身長に対して座面が高すぎないか、使う机の高さに合うかを確認してから選びましょう。
バランスチェアという選択肢
キャスターのない作業用の椅子には、バランスチェアもあります。ニトリのスタンディングバランスチェアOC301は、商品説明によると、ベースの底面がカーブしていて、座面高さは58〜74cmまで調整できます。昇降式のスタンディングデスクに合わせることを想定した椅子です。
ただし、バランスチェアは背もたれがないなど特殊な形で、長時間の連続使用に向くかは人によります。ふつうの高さの机で長い時間座るなら、背もたれのある椅子のほうが一般的です。
子どもがいる家庭での注意
小さな子どもがいる家庭では、キャスター付きの椅子が転がって、子どもがぶつかったり、椅子に乗って遊んで転んだりすることが心配な人もいるでしょう。キャスターなしの椅子なら、椅子が勝手に動くことはありません。
ただし、キャスターなしでも、椅子の上に立ったり、座ったまま椅子を傾けたりすると、転倒のおそれがあります。ニトリ公式のよくある質問でも、イスの上に立つ・踏み台代わりにする・座ったまま傾ける、といった使い方は破損や転倒の原因になるとして、しないよう案内されています。
家族の立ち座りが心配なとき
家族の立ち座りを考えてキャスターなしの椅子を選ぶ場合は、肘掛けの使い方にも注意が必要です。肘掛けがあると立ち上がるときにつかまりたくなりますが、ニトリ公式のよくある質問では、ひじ置きを支えに立ち座りすることは破損や転倒の原因になるとして、しないよう案内されています。
立ち座りのしやすさは、座面の高さにも左右されます。座面が低すぎると立ち上がりにくく、高すぎると足が床につきにくくなります。使う人の体格に合った高さの椅子を選びましょう。
ダイニングと兼用するなら
キャスターなしの椅子は、ダイニングやリビングでも使いやすいのが魅力です。ニトリのOC109 4本脚も、商品説明で「リビングやダイニングにも合う鉄製のヴィンテージ風の脚」と紹介されています。
ダイニングテーブルと作業用の机の高さが違う場合は、どちらの高さにも合うかを確認しておきましょう。座面の高さを調整できない椅子は、テーブルや机の高さに合わないと、長い時間の作業ではつらく感じることがあります。
キャスターを外して使うのは注意
「今の椅子のキャスターを外せば、キャスターなしになるのでは?」と考える人もいるかもしれません。レビューにも「座面が高すぎるのでキャスターを取り付けずに利用しています」(GM707)という声がありました。
ただ、キャスターを外して使う方法は、ニトリ公式の案内にはありません。また、「低くする為キャスターをとってみが真ん中の柱がつっかえあえなく断念」(OC702N)という声もあり、脚の形によっては中心の部分が床に当たってしまうこともあります。キャスターを外すと椅子が不安定になるおそれもあるので、メーカーが想定していない使い方は避け、最初からキャスターなしの椅子を選ぶほうが安全です。
キャスター付きを動きにくくする工夫
今のキャスター付きの椅子を使い続けながら、動きすぎるのを抑えたい場合は、床側を工夫する方法があります。
- チェアマットやラグを敷く:フローリングより転がりにくくなることがある
- キャスターの種類を見直す:床の材質に合ったキャスターを選ぶ
日本オフィス家具協会(JOIFA)によると、カーペットなど柔らかい床にはナイロンやハードウレタン、フローリングなど硬い床にはソフトウレタンやゴムのキャスターが適しているとされています。ただし、キャスターを交換する場合は、軸のサイズが合うものを選び、取り付けはメーカーの案内に従いましょう。
床を守るための注意
キャスターなしの椅子でも、椅子を引くときに脚が床をこすると、フローリングに傷がつくことがあります。脚の先にフェルトなどの保護材が付いているか、付いていなければ後から貼れるかを確認しておきましょう。
キャスター付きの椅子を使う場合は、ニトリ公式のよくある質問で、ウッドフロア・クッションフロア・畳ではカーペットやフェルトなどの保護材を使うよう案内されています。また、黒いゴムはビニール製の床にまれに変色を起こすことがあるとも書かれています。
掃除や模様替えのときの扱い
キャスターなしの椅子は、掃除や模様替えで動かすときに、持ち上げて運ぶ必要があります。引きずると床に傷がついたり、脚に負担がかかったりするので、少しの移動でも持ち上げるようにしましょう。
椅子の下を掃除しやすくしたいなら、軽い椅子を選ぶのも一つの方法です。脚の形によっては、掃除機のヘッドが入りやすいものと入りにくいものがあるので、置き場所の掃除のしやすさもあわせて考えておくと安心です。
長時間座るなら背もたれも重視
キャスターなしの椅子には、デザイン性を重視して背もたれが低いものや、背もたれのないものもあります。読書や短時間の作業なら問題ありませんが、勉強や在宅ワークで長い時間座るなら、背もたれの形も大切です。
日本オフィス家具協会(JOIFA)は、正しい座り方の目安として、座面の奥まで深く座り、骨盤の上の部分を背もたれにしっかり付けることを挙げています。深く座ったときに、背もたれが背中に沿うかを確かめておきましょう。
回転するかどうかも確認
キャスターなしの椅子を選ぶときは、座面が回転するかどうかも確認しておきましょう。座面が回転すると、横を向いて立ち上がるときなどに便利です。一方で、「回転しないほうが落ち着く」という人もいます。
4本脚の椅子の多くは回転しませんが、座面だけが回る固定脚の椅子もあります。商品説明で回転の有無を確かめ、自分の使い方に合うほうを選びましょう。オフィスチェア全体の選び方はオフィスチェアの選び方で解説しています。
試座で確かめたいポイント
キャスターなしの椅子を店舗で試すときは、次の点を確かめてみてください。
- 座ったとき、かかとまで足が床につくか
- 机に近づくとき、椅子を引きずらずに座れるか
- 立ち座りのときに、椅子が安定しているか
- 背もたれに寄りかかったとき、後ろに傾く不安がないか
- 椅子を持ち上げて動かせる重さか
- 脚の先にフェルトなど床を守る部品が付いているか
キャスターがないと、椅子を動かすときに持ち上げる必要があります。たとえばOC109 4本脚は約8.5kg、北欧風スタイルチェアは約5.2kgです(ニトリネットの仕様表より)。毎日の掃除などで動かすことを考えて、重さも確認しておくと安心です。
キャスターなしにするか迷ったら、今の作業中に「座ったまま椅子を動かしている回数」を意識してみてください。ほとんど動かしていないなら固定脚でも困りませんし、何度も動かしているならキャスター付きのほうが快適ですよ。
キャスターなしのよくある質問(FAQ)
Q1. キャスターなしのオフィスチェアのメリットは?
A. 椅子が勝手に動かない、床が傷つきにくい、転がる音がしない、リビングやダイニングになじみやすい、といった点がメリットです。
Q2. キャスターなしのデメリットは?
A. 座ったまま位置を変えにくく、座面の高さが固定のものも多い点です。デスクまわりで頻繁に動くなら、キャスター付きのほうが便利です。
Q3. 今の椅子のキャスターを外して使ってもいいですか?
A. メーカーが想定していない使い方は避けましょう。脚の形によっては中心の部分が床に当たったり、不安定になったりすることがあります。
Q4. ニトリにキャスターなしのオフィスチェアはありますか?
A. 2026年9月時点では、OC109 4本脚(11,990円)や、天然木の脚の北欧風スタイルチェア(14,990円)などがありました。
Q5. キャスター付きの椅子を動きにくくする方法は?
A. チェアマットやラグを敷く、床の材質に合ったキャスターを選ぶ、といった方法があります。キャスターの交換はメーカーの案内に従いましょう。
キャスターなしオフィスチェアの選び方まとめ
キャスターなしの固定脚の椅子は、椅子が勝手に動かない、床が傷つきにくい、音が出にくいといったメリットがある一方で、座ったまま位置を変えにくく、座面の高さが固定のものも多いのがデメリットです。デスクまわりで頻繁に動くならキャスター付き、あまり動かさないなら固定脚が向いています。
選ぶときは、座面の高さが体格と机に合うか、回転するか、脚の先で床を傷つけないか、動かすときの重さを確認しましょう。ニトリなら、OC109 4本脚や、座面の高さを調整できる北欧風スタイルチェアなどが候補になります。
自分の作業スタイルを思い出しながら、キャスターの有無を選んで、落ち着いて座れる一脚を見つけてくださいね。

