こんにちは。オフィスチェアラボ、研究員Kです。
オフィスチェアを選ぶとき、座面や背もたれに比べて後回しにされがちなのがアームレスト(肘掛け)です。でも実際に使い始めると、「肘掛けが机に当たって椅子が奥まで入らない」「高さが合わなくて肩が上がる」「邪魔なので外したい」といった悩みが出てきやすいパーツでもあります。
アームレストには、動かない固定式、高さだけ変えられるもの、前後・左右・角度まで動く多方向のもの、使わないときに上げられる跳ね上げ式、そして肘なしまで、いろいろな種類があります。
私は、高さ・角度・前後の位置を調節できるアームレストが付いたニトリのOC707を、大学の勉強とPC作業で毎日使っています。この記事では、アームレストの種類ごとの特徴と、机に合うアームレストの選び方を、ニトリの商品情報やレビューもまじえて解説します。
- アームレストの種類(固定・可動・跳ね上げ・肘なし)の違い
- 3D・4Dなど多方向アームレストの見方
- 机の高さに合わせたアームレストの選び方
- アームレストが机に当たるときの対処法
オフィスチェアのアームレスト跳ね上げ・可動の違い
まずは、アームレストの役割と、種類ごとの特徴を見ていきます。
アームレストの役割とは
アームレストは、座ったときに腕や肘を乗せるためのパーツです。腕の重さを肘掛けに預けられるので、キーボードやマウスを使うときに、腕を支えやすくなります。また、背もたれに寄りかかってくつろぐときに、腕を置く場所があると楽な姿勢をとりやすくなります。
一方で、高さや位置が体や机に合っていないと、肩が上がったり、椅子が机の下に入らなかったりと、かえって使いにくくなることもあります。アームレストは「付いていればいい」というものではなく、自分の体格と机に合わせられるかが大切です。
アームレストの種類を一覧で比較
アームレストの主な種類は、次のとおりです。
| 種類 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 固定式 | 動かない。価格が安いモデルに多い | 机との相性が合っている人 |
| 高さ調整(1D) | 上下だけ動く | 机に合わせて高さを変えたい人 |
| 多方向(3D・4Dなど) | 高さに加えて前後・左右・角度などが動く | 姿勢を細かく合わせたい人 |
| 跳ね上げ式 | 使わないときに上に跳ね上げられる | 机の下に椅子を収めたい人 |
| 肘なし | アームレストがない | 開放感やあぐらを重視する人 |
それぞれの特徴を、順番にくわしく見ていきましょう。
固定式アームレストの特徴
固定式のアームレストは、高さや位置を変えられないタイプです。構造がシンプルなので、価格を抑えたモデルに多く見られます。動く部分がないぶん、ぐらつきにくいのもメリットです。
ただし、高さが合わないと調整のしようがありません。アームレストが机の天板より高いと、椅子を机に近づけたときに肘掛けが天板に当たって、奥まで入らなくなります。固定式を選ぶときは、自分の机の高さと、アームレストの高さ(床から肘掛けの上面まで)を必ず比べてください。
高さ調整できる1Dアームレスト
アームレストの調整でいちばん基本になるのが、高さの調整です。高さだけを調整できるものは「1D」と呼ばれることがあります。高さを変えられるだけでも、机に合わせたり、肩の力を抜いた位置に合わせたりしやすくなります。
ニトリのゲーミングチェアGM703のレビューには「肘掛けは上下に6段階動きますが前後左右には動きません」という声がありました。高さの調整は、段階が細かいほど自分に合う位置に合わせやすくなります。
3D・4Dなど多方向アームレスト
高さに加えて、前後・左右・角度などの方向にも動かせるアームレストは、「3D」「4D」などと呼ばれます。動く方向が多いほど、腕の位置を細かく合わせられます。
ニトリのオフィスチェアの例を、2026年9月時点のニトリネットの商品説明から挙げると、次のとおりです。
| モデル | アームレストの調整 |
|---|---|
| OC707 | 高さ・角度・前後の位置 |
| OC525 | 上下・前後・角度の3方向 |
| OC709 | 角度と高さ |
| OC908 | 4D肘(昇降・角度・前後・幅) |
| GM702N | 3D肘(昇降・前後・角度) |
なお、「3D」「4D」「6D」などの呼び方はメーカーによって基準が違い、統一されていません。数字だけで比べるのではなく、具体的にどの方向に動くのかを商品説明で確認しましょう。
私のOC707のアームレスト
私が使っているOC707のアームレストは、ボタンを押しながら高さを調節でき、アームレストをつかんで回すと角度と前後の位置も調節できます(ニトリネットの商品説明より)。
使っていて気になる点を挙げるなら、アームレストを動かすときに、少し引っかかるような詰まる感じがあることくらいです。それ以外に、とくに不満はありません。
ニトリ OC707 ポケットコイル

左右の幅を調整できるタイプ
多方向アームレストの中には、左右の肘掛けの間隔(幅)を調整できるものもあります。ニトリのOC908の「4D肘」は、昇降・角度・前後に加えて幅の調節ができると商品説明に書かれています。
肩幅の狭い人や小柄な人は、肘掛けの間隔が広すぎると、腕を外に開いた姿勢になりやすくなります。反対に、体の大きい人は間隔が狭いと窮屈に感じることがあります。幅の調整ができるかどうかも、体格に合わせるうえでのポイントです。
ゲーミングチェアのアームレスト
ゲーミングチェアにも、アームレストを調整できるモデルが多くあります。ニトリのGM702Nの商品説明には「アームレストは昇降機能付き、前後にも可動するので、ゲームスタイルに合わせて調節できます。下げるとデスク下の奥まで入るので通路の邪魔になりません」と書かれています。
ゲームでは、コントローラーを持つ、マウスを大きく動かすなど、使い方によって腕の位置が変わります。ゲーム用に選ぶなら、自分のプレイスタイルで腕を置きたい位置に合わせられるかを確かめておくといいでしょう。
跳ね上げ式アームレストの特徴
跳ね上げ式のアームレストは、使わないときに肘掛けを上に跳ね上げられるタイプです。跳ね上げると肘掛けが机の天板に当たらなくなるので、椅子を机の下にすっきり収められます。
ニトリの例では、OC513の商品説明に「ひじ掛けが可動式なので、未使用時は肘を跳ね上げ机にすっきり入れられます」と書かれています。また、OC907は「昇降・前後に加えて角度が270度回るマジック肘を採用、肘自体が跳ね上げできる」と紹介されています。部屋が狭くて、使わないときは椅子を机の下にしまいたい人に向いています。OC513についてはニトリOC513の口コミで詳しく紹介しています。
ニトリ OC513(ハイバック)
跳ね上げ式の気をつけたい点
跳ね上げ式は便利な一方で、次のような点に気をつけたいところです。
- 跳ね上げる・下ろすという動作が、毎回必要になる
- 可動部分が多いので、使ううちにがたつきが出ないか気になる人もいる
- 跳ね上げた状態では、腕を置くことができない
跳ね上げ式は、「肘掛けは使いたいけれど、机の下にしまいたい」という人向けの仕組みです。肘掛けをほとんど使わないなら、最初から肘なしを選ぶという考え方もあります。
肘なしのメリットとデメリット
肘なしのオフィスチェアには、次のようなメリットがあります。
- 肘掛けが机に当たらないので、椅子を机の奥まで入れられる
- 横に広がる部分がないので、開放感があり、部屋がすっきり見える
- 座ったまま横を向いたり、あぐらをかいたりしやすい
- 肘掛けのぶん、価格や重さを抑えやすい
一方で、腕を置く場所がないので、背もたれに寄りかかってくつろぐときや、肘を支えにしたいときには物足りなく感じることがあります。キーボードやマウスを使うときに腕を机に乗せられる環境なら、肘なしでも困らないことが多いでしょう。迷ったときは、ふだん作業中に肘掛けを使っているかどうかを、今の椅子で一度意識してみると判断しやすくなります。
レビューに見るアームレストの声
ニトリネットのレビューには、アームレストについて次のような声がありました。
- 「肘掛けも自由度がある」(OC508N)
- 「肘掛けも前後上下少し左右にも動きます」(GM702N)
- 「肘おきが前後にしか動かなかったのが残念。改良版が出るなら横にも動いてもらえるとありがたい」(GM702N)
- 「ひじ掛けが、すぐカキカキ動いてしまうのが難点」(GM702N)
- 「適度な硬さとアーム調整、アームの横の角度調整、良いですね」(GM702 PRO)
同じモデルでも、アームレストの動き方を「自由度が高い」と感じる人もいれば、「もっと動いてほしい」「動きすぎる」と感じる人もいるようです。動く方向の多さだけでなく、動かしやすさや、固定したときの安定感も、店舗で確かめておきたいポイントです。
オフィスチェアのアームレストと跳ね上げの選び方
ここからは、机や体格に合うアームレストの選び方と、困ったときの対処法を紹介します。
まずは机の高さを測る
アームレストを選ぶ前に、まずは自分の机の高さ(床から天板の上面まで)を測っておきましょう。一般的な日本のデスクの高さは70〜72cm前後が多いと言われています。
日本オフィス家具協会(JOIFA)は、デスクの高さの目安を「座面高+身長×1/6」としています。たとえば身長170cmなら、座面高は約42.5cm、デスク高は約71cmが目安です。机の高さが分かれば、アームレストが天板に当たるかどうか、どれくらいの高さに合わせればいいかを考えやすくなります。
アームレストの高さの合わせ方
アームレストの高さは、次の手順で合わせると分かりやすいです。
- 座面の高さを、かかとが床につき、太ももがほぼ水平になる高さに合わせる
- 肩の力を抜いて、腕を自然に下ろす
- 肘を曲げたとき、肘の下にアームレストが軽く触れる高さに合わせる
- キーボードを打つときに、肩が上がっていないかを確かめる
アームレストが高すぎると肩が持ち上がり、低すぎると腕を置いたときに体が傾きやすくなります。座面の高さを変えたら、アームレストの高さも合わせ直すようにしましょう。座面の高さの合わせ方はニトリのオフィスチェアの調整方法でも紹介しています。
机に当たるときの対処法
アームレストが机に当たって、椅子が奥まで入らないときは、次の方法を試してみてください。
- アームレストを下げる:高さ調整ができるなら、天板より低い位置まで下げる
- 前後の位置を後ろにずらす:前後に動かせるなら、後ろに下げると机に近づける
- 跳ね上げる:跳ね上げ式なら、作業中は上げておく
- 肘なしの椅子を選ぶ:これから買うなら、肘なしも候補に入れる
高さを下げられない固定式の場合は、椅子の座面を下げることで肘掛けも低くなりますが、そのぶん座る姿勢が変わってしまいます。体に合う座面の高さを優先し、アームレストは調整できるものや跳ね上げ式を選ぶほうが、無理のない解決になりやすいです。
部屋の広さと横幅も確認
アームレストの付いた椅子は、肘掛けのぶん横幅が広くなります。たとえばニトリのOC707(ポケットコイル)は幅69.5cm、OC508Nは幅70cmです(ニトリネットの仕様表より)。机の脚と脚の間の幅や、部屋の通路の幅に収まるかも確かめておきましょう。
特に、机の下に椅子を収めたい人は、机の脚の内側の幅と、アームレストを含めた椅子の幅を比べておくことが大切です。サイズの考え方はニトリのオフィスチェアのサイズでも詳しく紹介しています。
肘掛けを支えに立たない
アームレストの使い方で気をつけたいのが、立ち座りのときの使い方です。ニトリ公式のよくある質問では、イスの使用上の注意として、「ひじ置きを支えに立ち座りする」ことは破損や転倒の原因になるので、しないよう案内されています。
座るときや立ち上がるときに肘掛けに体重をかけると、肘掛けや取り付け部分に大きな力がかかります。特に、可動式や跳ね上げ式のアームレストは、動く部分に負担がかかりやすいので注意しましょう。
リクライニングとアームレスト
背もたれを倒してくつろぐときも、アームレストの位置は大切です。リクライニングすると体が後ろに下がるので、肘の位置もいつもとは変わります。
ニトリのOC907は、商品説明で「肘自体が跳ね上げできるので背もたれを倒した時も快適です」と紹介されています。くつろぐ時間が長い人は、背もたれを倒した状態でも腕を自然に置けるか、肘掛けが邪魔にならないかを、試座のときに確かめておきましょう。
がたつきやきしみが出たら
アームレストは、腕の重さや立ち座りのときの力がかかりやすい部分です。使っているうちに、がたつきやきしみが出てくることもあります。
ニトリ公式のよくある質問では、イスの固定用のねじは定期的にゆるみを点検して締め直すよう案内されていて、目安は月に1度です。ゆるんだまま使うと破損の原因になるそうです。ねじを締め直しても、ぐらつきやきしみが改善しない場合は、購入したお店やメーカーに問い合わせてください。
アームレストの後付けや交換は?
肘なしの椅子にアームレストを後付けしたり、アームレストだけを交換したりできるかは、機種によって違います。メーカーがオプションや交換部品を用意している場合もありますが、多くの椅子では難しいと考えておいたほうがいいでしょう。
ニトリのオフィスチェアの場合、ニトリ公式のよくある質問によると、パーツや商品の一部のみの販売はしていません(商品によって手配できる場合はあります)。アームレストの種類にこだわりがあるなら、買う前に、必要な調整ができるモデルを選んでおくのが確実です。
試座でアームレストを確かめる手順
店舗でアームレストを確かめるときは、次の順番で試してみると、短い時間でも判断しやすくなります。
- 座面の高さを、自分に合う高さに合わせる
- アームレストを一番低くして、床からの高さを測る(自宅の机と比べる)
- 肩の力を抜いて肘を置き、肩が上がらない高さに合わせる
- 前後・角度・幅など、動く方向をすべて動かしてみる
- 固定した状態で軽く腕を乗せ、ぐらつきや動きすぎがないか確かめる
- 跳ね上げ式なら、上げ下げの動かしやすさも確かめる
動かしやすさや固さは、実際に触ってみないと分かりません。気になる点があれば、店舗のスタッフに調整のしかたを聞いてみるのもおすすめです。
用途別のおすすめの選び方
ここまでの内容をふまえて、用途別におすすめのアームレストをまとめます。
- PC作業が長い:高さ・前後・角度などを調整できる多方向アームレスト
- 机の下に椅子をしまいたい:跳ね上げ式、または高さを天板より下げられるもの
- あぐらや横向きで座りたい:肘なし、または跳ね上げ式
- 予算を抑えたい:机の高さに合う固定式、または肘なし
- くつろぐ時間も長い:高さと角度を調整できるもの
どれを選ぶ場合も、店舗で実際に座って、肘を置いたときに肩が上がらないか、机の高さに合うかを確かめるのがいちばん確実です。オフィスチェア全体の選び方はオフィスチェアの選び方で解説しています。
試座に行く前に、自宅の机の高さをメジャーで測ってメモしておくのがおすすめです。店舗でアームレストの一番低い高さを測って比べれば、机に当たるかどうかがその場で分かりますよ。
アームレストのよくある質問(FAQ)
Q1. アームレストは跳ね上げ式と可動式どちらがいいですか?
A. 机の下に椅子をしまうことを優先するなら跳ね上げ式、作業中の腕の位置を細かく合わせたいなら多方向に動く可動式が向いています。
Q2. 3Dアームレストと4Dアームレストの違いは?
A. 一般的に、動く方向の数を表しています。ただし呼び方の基準はメーカーによって違うので、高さ・前後・左右(幅)・角度のうち、どの方向に動くのかを商品説明で確認しましょう。
Q3. アームレストが机に当たるときはどうすればいいですか?
A. 高さを天板より下げる、前後の位置を後ろにずらす、跳ね上げ式なら上げておく、といった方法があります。これから買うなら、跳ね上げ式や肘なしも候補になります。
Q4. 肘掛けを支えにして立ち上がってもいいですか?
A. ニトリ公式では、ひじ置きを支えに立ち座りすることは破損や転倒の原因になるとして、しないよう案内されています。
Q5. 肘なしのオフィスチェアはどんな人に向いていますか?
A. 椅子を机の奥まで入れたい人、あぐらや横向きで座りたい人、部屋をすっきり見せたい人に向いています。腕を机に乗せて作業できる環境なら困らないことが多いです。
オフィスチェアのアームレスト跳ね上げまとめ
オフィスチェアのアームレストには、固定式、高さ調整、3D・4Dなどの多方向、跳ね上げ式、肘なしといった種類があります。作業姿勢を細かく合わせたいなら多方向、机の下に椅子をしまいたいなら跳ね上げ式、開放感を重視するなら肘なしが選びやすいでしょう。
選ぶときは、まず机の高さを測り、アームレストの最高・最低の高さと比べることが大切です。肘を置いたときに肩が上がらない高さに合わせ、机に当たる場合は下げる・後ろにずらす・跳ね上げるといった方法で対処しましょう。
アームレストは毎日腕を預けるパーツです。自分の机と使い方に合うタイプを選んで、快適な作業環境を作ってくださいね。

